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前立腺肥大症のための治療方法で、肥大した部分に水蒸気を注入し、「水蒸気の熱」を利用して前立腺を退縮させる低侵襲な治療方法です。当院でも2023年10月より治療を開始しました。
針で数か所刺すだけなので傷がほとんどありません。低侵襲であることから、合併症のリスクが高い患者さんや高齢、認知機能障害など、術後の身体機能低下リスクが高い患者さんにも適応可能です。また、抗血栓薬を内服していても受けられます。
前立腺の肥大組織の形状や位置にもよりますが、大体10分程度です。なお、麻酔を含めた時間は、麻酔の種類により異なります。局所麻酔、腰椎麻酔、全身麻酔いずれでも実績はありますが、患者さんに適した麻酔方法を担当医が考慮します。
米国で実施された臨床試験では、前立腺肥大症の状況を判断するIPSS(国際前立腺症状スコア:自覚症状の問診)やQOLスコアの5年間の有効性が報告されています。また、5年間の再手術率も4.4%と低い数値が報告されています。
前立腺内に送り込まれる水蒸気は103℃ですが、体温で冷やされ水に戻ります。このときに発せられる熱エネルギーが肥大組織に影響し、細胞を壊します。壊死した細胞が1~3か月をかけて自然に体内に吸収されることで、前立腺肥大症の症状を和らげます。