髙橋 治海 ( Harumi Takahashi)
外科、乳腺外科
専門・得意分野 | 乳腺外科 |
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略歴 | 昭和58年 三重大学医学部卒業 昭和58年 岐阜大学第2外科医員研修医 |
資格・免許 | 日本外科学会専門医 日本乳癌学会指導医・専門医 マンモグラフィ読影認定医 |
2021年4月から当院へ赴任し、現在は当院における乳腺外科診療の充実を目指して活動をはじめました。
乳がんは、適切な治療ができれば5年生存率が高いがんではあります。しかし再発すると、命を少し伸ばすことはできますが、「治る」ことはありません。できるだけ生活の質を維持しながら、患者さまのご希望を優先し、さまざまな選択肢を考えながら、共に歩んでいく治療に取り組んでいます。
セルフチェックや乳がん検診等でも、多くの乳がん症例が見つかっていますが、乳がんは早期発見・早期治療ができれば治るがんでもあります。人間ドックや乳がん検診で乳房に何らかの問題が見つかった時、精密検査や治療を行うため乳腺外科を受診することになります。
診察から始めて、生検などの検査を行い、診断が確定したら手術や抗がん剤(あるいはホルモン剤)治療を行い、さらに術後のフォローアップまで含めると、医師と患者さまとの付き合いは、長期間にわたります。
乳がんは、一つとして「同じ症例」がありません。同じ乳がんでも患者さまのバックグラウンドは違いますし、考え方も違います。たとえば、乳がんの好発年齢は、40代、50代です。この年代の女性は、主婦であり、母であり、なおかつ仕事を持っている人たちも増えています。高齢者の方、仕事盛りで子どもが小さい方、シングルマザーの方、あるいは結婚したてで妊娠を希望される方、治療方針を検討する際に、さまざまな要素がからんできます。近年、乳がんは「遺伝性のがん」であることも分かってきています。
現在、乳がんにはいくつかの治療方法がありますので、患者さまの一生を共に考えながら患者さまご自身の意思決定を支援し、治療していくことになります。患者さまとのコミュニケーションを大切に、「一緒に考えながら治療をやっていきましょう」とお話ししています。
日本の乳がん検診の受診率は、欧米に比べるとまだまだ低いのが現状です。アメリカが約80%の受診率に対し、日本は約40%程度しかありません。
たとえば、節目健診として無料クーポンが届いたら検診を受けるけれども、次にクーポンが届くまでは検診を受けない、という方も多いのではないでしょうか。本当に自分の体が大事だと思うのであれば、「クーポンをきっかけに毎年検診を受ける」という方がもっと増えても良い、こうした意識改革をしていくことも、私の使命だと考えています。