病院全体で患者さまに寄り添う、チーム医療を導入
当科では、消化器外科と乳腺外科全般の診療を行っています。当院の外科の特徴は、診療の最初から最後まで、同じ医師が担当するというところにあります。大学病院等の大規模な病院では、検査や手術などそれぞれのシーンで別の診療科や医師が関わることが多いのですが、当院では、同じ医師が最初の診察から検査、手術など全部を担当し、患者さまに寄り添った診療を行っています。
また、当院では昨年から「チーム医療」を導入しています。医師、薬剤師や臨床心理士、認定看護師など、さまざまな職種でひとつのチームとなり、チーム全員で診療に関わる体制ができました。「医師に直接では聞きにくいかな」と思われているようなちょっとしたことや、困りごとなどをお話ししていただいています。お聞きしたことは、チーム全員で共有して解決策を、患者さまをサポートする仕組みをとっています。
消化器内視鏡センターとドックとの連携
当院の消化器内視鏡センターは、検査から治療方針の決定までを、一貫して行う施設です。一般的には消化器内科が担当するような内視鏡検査なども、消化器内視鏡センター長の西先生を筆頭に、外科の医師が専門的に担当しています。
当院の消化器内視鏡センターには、がんが発見された後、内視鏡で治療できるのか、手術が必要なのか、手術は難しいが抗がん剤治療を選択するのかなど、治療方針を決定するという役割があります。同じ診療科が一括して担当することで、スムーズに診療を進めることができます。また、治療や手術のたびの診療科の移動が必要なく、担当医が変わることもありません。外科で全てのケアをさせていただいていますので、患者さまには、使いやすさと安心感を持っていただけると思います。
また今後は特に、人間ドックとの積極的な連携をとっていきたいと考えています。検査を受けた結果、見つかったものが良性疾患であっても、がんのような悪性疾患であっても、外科として患者さまにきちんと説明することを心がけています。
医師としての私自身のモットーは、「どんな小さな手術であっても、治療方針や告知でも、早い段階でご家族共にじっくりと時間をかけて説明すること」です。もしも何かが見つかり、当院での治療を終えてご自宅へ戻られるときでも、当院以外の施設等で治療を受けられる場合でも、地域の中で対応できる医療体制を整えております。
大腸がんの検査と治療について
一般的に「50歳を過ぎたら内視鏡検査を」と言われていますが、お身内に大腸がんの患者さまがいらっしゃる場合は、特に意識して、定期的に検査を受けておかれることをお勧めしています。また、健康診断の便潜血検査陽性の場合は、年齢に関係なく、早めに内視鏡検査を受けてほしいと思っています。便潜血検査陽性は必ずしも大腸がんとは限りませんが、そういった時こそ健康意識を持ってほしいです。
大腸がんは早期発見で治る病気になってきています。この先、早期予防・早期発見によって大腸がんで命を落とすという方も減ってくると考えられますし、大腸がんでも長く生きられるという時代が来ます。
「がんになっても長く生きる」ということの1つに、抗がん剤治療があります。昨今の抗がん剤治療はとても新しくなっています。私自身、大学病院に勤務していた時に抗がん剤治療を任されていましたので、当院勤務になって以来、当院でも抗がん剤治療を取り入れられないかと導入準備を進めてまいりました。現在では、大学病院でおこなわれているレベルとほぼ変わらない、学会ガイドラインに沿った抗がん剤治療ができるようになっています。
もちろん重症症例や特殊な症例では、専門的かつ高度な医療が必要となり、大学病院や専門病院での治療が望ましいと思います。しかし、一般的な症例であれば、いつも通っていただいている当院でも、大学病院と変わらない治療ができるようになっています。いつもの施設で、いつもの医師による、自分に合った治療。患者さまに安心して通院していただける、大きなポイントではないかと思っています。
医師プロフィール
医局長、外科医長
小林 政義 (Masayoshi Kobayashi)
外科、消化器センター、消化器内視鏡センター
専門・得意分野 |
一般外科・消化器外科(特に下部消化管外科専門)、腹部救急、がん化学療法・緩和治療、ヘルニア、消化器内視鏡検査 |
略歴 |
平成18年 兵庫医科大学医学部 卒業
平成20年 兵庫医科大学病院 初期研修医 |
資格・免許 |
米国心臓協会(AHA)BLS・ACLSプロバイダー
日本救急医学会(ICLS)プロバイダー
日本外傷診療研究機構(JTCR)JATECプロバイダー
緩和ケア研修 修了
医学博士
臨床研修指導医
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