体内に微量の放射性同位元素(通称ラジオアイソトープ)を含んだ放射性医薬品を注射等で投与し、臓器や病変に集まった微量な放射線の量をガンマカメラにて測定し画像にする検査です。当院では主に骨・甲状腺・心臓・脳などの検査を行っております。
体内に放射性医薬品を投与しても問題はありません。投与される量は極めて微量で、また非常に短時間で体外に排出され、また体内に残っていてもこの薬品には半減期というものがあり短期間で消えてしまいます。
SIEMENS製 e.cam(撮影室7)
検査に関する簡単なご説明を検査予約の際に受付け窓口で行っております。
また、検査に必要な諸注意を記した予約票も同時にお渡ししておりますので、事前によくお読みいただきますようお願いいたします。
万が一、検査中あるいは検査後に気分が悪くなった方はスタッフまでお申し出ください。
その他、ご不明な点はお気軽にお尋ね下さい。
などが、あります。
すべての物質は原子が集まってできています。
原子の中心に陽子と中性子から成る原子核があります。
陽子数が同じなことから化学的性質が同じで中性子数が異なる原子核を同位元素またはアイソトープと言います。
このなかで、放射線を出して他の種類の原子核に変わるものを放射性同元素(ラジオアイソトープ)と言います。
この薬の特徴は、放射線を放出するアイソトープを含んでいることです。
注射された少量の放射性医薬品は、外部から見えない病気の場所や臓器の状態を、放射線という信号を出して知らせてくれます。
この大事な信号を受け止める役目が、ガンマカメラという装置です。
またこの信号は、臓器の形の異常あるなしにかかわらず、機能の異常を早期に知らせてくれるのです。
多くの場合、注射された薬は、一度は目的の臓器や器官に集まりますが、早いものでは数時間で、遅くても数日で信号(放射線)が弱くなって、やがてなくなってしまいます。
これは、薬が体から排泄されたり、放射線を出すアイソトープそのものの能カが弱くなってしまうからです。
核医学検査で使われる放射性医薬品の放射能は極微量で、半減期も数時間から長くても数日という放射性同元素を使用しています。
投与された放射性医薬品も尿や便と一緒に排泄されるため検査終了後は短期間で体内から消失します。
被曝線量は約0.1~25ミリシーベルトと、他のX線を使った検査と同程度ですので心配はいりません。
体のどこかに具合の悪い部分がありますと、それが原因で病気になります。
病気を治療するためには、具合の悪い部分の機能やその形・大きさを知ることが大切です。
その全てがわかって初めて適切な治療方法が決められます。
また、治療を続けている間は、治療の効果を確かめることも大切です。
検査は治療の方法を決める事と治療の効果を確かめる事の二つの目的で行われますが、核医学検査は、おもに臓器の働き具合(機能)を調べます。
CTやMRIや超音波検査は、形(位置)や大きさを調べます。
必要な検査を組み合わせて行うことで、病気の大きさや形や働きがわかります。
その結果、治療の方針を決めたり、効果的な治療が行われているかを判断したりすることができるのです。
核医学検査は、放射性医薬品がどのような速さで、どこに・どれだけ集まってくるかを調べることで、病気の状態・形の異常が現れる前に診断できます。